低ディップコーティングにより作製されるシリカおよびチタニア膜におけるマイクロパターン形成
関西大・化学生命工
内山弘章・林政貴・嶋岡大介・幸塚広光
Spontaneous pattern formation on silica and titania dip-coating films prepared at extremely low substrate withdrawal speeds /OH. Uchiyama, M. Hayashi, D. Shimaoka, H. Kozuka/ / Linear patterns were spontaneously formed on the dip-coating silica and titania films prepared from Si(OCH3)4 and Ti(OC3H7i)4 solutions, respectively. In both films, the pattern formation occurred at extremely low substrate withdrawal speeds below 1.0 cm min1, where the film thickness increased with decreasing substrate withdrawal speed for dip-coating. The linear patterns on micrometer scale were arranged perpendicular to the substrate withdrawal direction. The values of Rz (10 point height of irregularities) and S (mean spacing of local peaks) of the patterns increased with decreasing substrate withdrawal speed.
問合先: E-mail: h_uchi@kansai-u.ac.jp
【実験方法】 Si(OCH3)4: H2O HNO3 : C2H5OH: poly (vinylpyrrolidone) K90 (PVP K90)=1:2:0.01:20:0.5、 Ti(OC3H7i)4: acac: H2O : HNO3 : C2H5OH : PVP K90 = 1:1:: 2:02:30:0.5(モル比)なる前駆溶液を室温で作製しコーティング液とし、Si(100)ウェーハへのディップコーティング(引き上げ速度:0.02-10cm min-1)によってシリカおよびチタニアゲル膜を作製した。光学顕微鏡観察、触針式表面粗さ測定による構造評価を行なった。
【結果】シリカおよびチタニアゲル膜いずれの場合においても、引き上げ速度を1.0cm min-1から0.02cm min-1まで減少させることで膜厚が増加した。チタニアよりシリカの方が膜厚は大きくなった。引き上げ速度1.0cm min-1で作製したゲル膜は平滑な膜であったが、引き上げ速度0.3cm min-1以下の条件ではゲル膜表面に基板の引き上げ方向に垂直な筋状のパターンの形成が確認できた(Figure1)。引き上げ速度の減少に伴い、筋状パターンの高さおよび間隔は増大した。また、パターンのサイズにおいてはシリカとチタニアで大きな差は見られなかった。
1.0cm min-1以下の引き上げ速度では、主に液面付近のメニスカス部分でコーティング膜からの溶媒の蒸発が進行するため、メニスカス部分で膜のゲル化が進行する。また、溶媒の蒸発によりメニスカス先端のコーティング液が濃縮される。その結果、表面張力によりコーティング液がメニスカス先端まで吸い上げられ、ゲル化部分がさらに隆起する。このメニスカス先端の隆起部分の形成がディップコーティング中に繰り返されることで、基板の引き上げ方向に垂直な筋状パターンが形成されたと考えられる。
