ディップコーターを用いた多孔体への薄膜作製
The thin film is coated to porous materials using dip-coater
(株)アインテスラ 中央研究所
[背景]
近年、金属アルコキシドを出発原料として加水分解により固体薄膜を作り出す「ゾルーゲル法」が注目されるようになってから、機能性固体薄膜の形成技術として液相法も見直されるようになってきた。これを受けて弊社では、マイクロあるいはナノオーダーの速度にて定速での引き上げを可能とするディップコーターを開発し、多くの研究機関に販売し薄膜形成技術の発展に貢献してきた。ここでは、このディップコーターを用いて三次元構造を有する発泡金属に光触媒ゾルをコーティングし、効率向上を試みると共にディップコーターの可能性を探った。[実験方法]
発泡金属(三菱マテリアル(株)製、Cu)母材を光触媒ゾル((株)光触媒研究所製、PSA-015)に浸漬し、弊社が販売している実験用ディップコーター(製品名:ナノディップコーター、 ND-0407)を用いて鉛直上方に低速かつ一定速度にて引き上げ、母材表面に対する薄膜コー ティングを行った。この試料に対し、日立卓上顕微鏡((株)日立ハイテク製、TM-1000) による SEM 写真観察を行った。[結果と考察]
高温焼成型光触媒ゾルに、呼び孔径600 μmのCu発泡金属を垂直に浸した。次に、ナノディップコーターを用いて発泡金属を 1.0 μm/s の速度で引き上げることによって膜を作製 した。この方法で作製した発泡金属の SEM 写真を図 1 に示す。これより、三次元構造を有 する Cu 発泡金属表面のテラス上に薄膜がコーティングされていることがわかる。また、発 泡金属の空孔部位にもゾル溶液のコーティングが確認されたことから、溶液は空孔内にも 侵入し、その内壁面にも均一に薄膜がコーティングされたと考えられる。