ディップコーター専門 製造・販売・メンテナンス

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ナノディップコーターを用いた発泡金属への微粒子コーティング

1.緒言

発泡金属等の多孔体[1,2]にその表面及び空孔内表面までに微粒子を均一にコーティングすることにより、高機能を持つ電極、触媒、フィルター、センサー等を安価に開発することが可能になる。結晶膜の作製法として自然沈降、スピンコート、毛管法、電気泳動法、引き上げ法及び溶液流動法などが挙げられる[3-6]。特に、引き上げ法は他の方法に比べ、簡便かつ安価な方法とされているが、引き上げ速度の変動に起因する膜厚の不均一や、引き上げ速度の低速化が問題・課題点として指摘されてきた。これに対して弊社では、超低速稼働モーターをその駆動部に配置し、nm/sオーダーの速度にて定速での引き上げを可能とするナノディップコーターND-0407を開発した。ここでは、微粒子の分散溶液に浸漬した発泡金属をナノディップコーターにより引き上げ、三次元構造を有する母材への微粒子のコーティングを試みた。

2.実験方法

発泡金属(三菱マテリアル(株)製、SUS316L およびNi)母材を微粒子含有溶液に浸漬し、弊社が販売している実験用ディップコーター(製品 名:ナノディップコーター、ND-0407)を用いて鉛直上方に低速かつ一定速度にて引き上げ、母材表面に対する分散微粒子の付着コーティングを行った。この試料に対し、走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM-6060)によるSEM写真観察を行った。

3.結果と考察

3.1 SUS316L発泡金属に対するポリスチレン粒子のコーティング
200nm粒径を持つポリスチレン粒子((株)モリテックス製)を水に均一分散した溶液を調製し、この溶液にSUS316L(三菱マテリアル(株)製、呼 び孔径50μm、0.5×10×20mm)発泡金属を垂直に浸した。次に、ナノディップコーターを用いて発泡金属を200nm/sの速度で引き上げることによって膜を作製した。この方法で作製した発泡金属の断面のSEM写真を図1-1に示す。これより、SUS金属表面のテラス上に微粒子が積層されていることがわかる。また、発泡金属の空孔部位にもポリスチレン微粒子の積層が確認されたことから、微粒子含有溶液は空孔内にも侵入し、その内壁面にも均一に微粒子がコーティングされた(イメージ図1-2)[7]と考えられる。
3.2Ni発泡金属に活性炭と白金微粒子をコーティング
活性炭(関東化学(株)製、粒径20μm)と白金微粒子(ニラコ(株)製、粒径1μm)を分散させたナフィオン溶液(シグマアルドリッチジャパン(株)製) 中にNi発泡金属(三菱マテリアル(株)製、呼び孔径50μm)を浸漬し、200nm/sの速度で引き上げることによって作製した膜のSEM写真及びEDS元素分析結果を図2に示す。SEM写真より、凹凸のある灰色母材に白色点(001部位)および黒色点(002部位)が分散付着していることがわかる。また、EDS元素分析より、SEM写真中の001部位に白金元素、002部位に炭素元素およびフッ素元素、003部位にNi元素がそれぞれ観察されたことから、001部位と002部位にそれぞれ白金粒子、活性炭微粒子および溶媒のナフィオンが固着されたことが明らかとなった。EDSマッピング(図3)では、Ni発泡金属(黄色)の表面に炭素(赤色)、フッ素(緑色)と白金(紫色)が均一に分布しており、各微粒子の分散性がよいことが分かる。 図 1-1 SUS 316L 発泡金属に 200 nm/s の 引き上げ速度でコーティングしたポリスチレン膜 のSEM写真 図1-2イメージ図 図 2 200 nm/s の引き上げ速度で活性炭と白金をコーティング したNi発泡金属のSEM写真とEDS分析結果 図 3 200 nm/s の引き上げ速度で活性炭と白金をコーティ ングした Ni 発泡金属の EDS マッピング

4.結論

ナノディップコーターND-0407は、複雑な形状を有する発泡金属の表面及び空孔内表面への均一な微粒子積層薄膜の作製に有効であること が分かった。本手法では、溶液中の粒子濃度や基板の引き上げ速度を制御することによって膜厚を調整できることから、今後は厚さを制御した薄膜の作製について検討し、また液組成や操作条件の影響を精査して異種微粒子の規則的配列についても検討する。さらに、種々の基板材料や微粒子の組み合わせを採用して、多種の発泡材料作製に関しても着手する予定である。

参考文献

[1] 竹内雍、多孔質体の性質と応用技術、フジ・テクノシステム 1999 [2] 発泡体・多孔質体技術と用途展開、1996
[3] k. Nagayama, et al., Langmuir, 12, 1303 (1996)
[4] D. J. Norris, et al., Nature, 414, 289 (2001)
[5] Y. Xia, et al., Adv. Matter., 12, 693 (2000)
[6] Z. –Z. Gu et al., J. Am. Chem. Soc., 122, 10730 (2000)
[7] 特許公開 2005-007298
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