TECH COLUMN

【技術コラム】有機溶剤を使用する実験の安全対策

「防爆検定品モーター」の採用と、SDIの設計アプローチ

ディップコーティングの実験や生産において、有機溶剤(シンナー、トルエン、アルコール等)を使用する場合、引火や火災のリスク管理が不可欠です。

しかし、研究開発用途のカスタム装置において、装置全体で「防爆型式検定」を取得することは、コストや納期の面で現実的ではないケースが多々あります。

本記事では、SDIが提案する「防爆検定合格品(部品)を活用した安全対策」という現実的なアプローチについて解説します。

1. ディップコーターにおけるリスク要因

ディップコーターはタンクに有機溶剤を貯留するため、揮発ガスが発生しやすい環境にあります。 一般的な非防爆エリアで使用されるモーターやスイッチ類は、動作時にわずかな電気火花(スパーク)や熱を発するため、これが滞留した可燃性ガスに引火するリスク(点火源となる可能性)があります。

そのため、指定された危険場所(防爆エリア)に設置する場合は、その環境に応じた適切な電気機器の選定が求められます。

2. SDIの設計アプローチ:「防爆部品」の選定

SDIの装置は、装置全体としての「防爆型式検定」を取得したものではありません。 しかし、お客様が所轄の消防署や社内の安全管理部門と協議を行い、設置許可を得られるよう、「発火源となる箇所に、防爆性能を持つ部品を採用する」という設計対応を行っています。

① 駆動部への「防爆検定合格品」の採用

着火源となりやすいモーターなどの駆動部分に、メーカーにて防爆検定(安全増防爆・耐圧防爆など)に合格した製品を選定・搭載することが可能です。 これにより、最もリスクの高い「駆動部からの発火」のリスクを低減させる設計とします。

② 制御盤の「分離設置」

インバータやタッチパネルなどの制御機器は、防爆化が困難な場合が多いです。 そのため、制御盤を装置本体から切り離し、「非防爆エリア(安全な場所)」に設置いただく構成を推奨しています。危険箇所には電気火花が出る制御盤を持ち込まないことで、安全性を確保する手法です。

3. 導入における注意点とサポート

SDIの装置はオーダーメイドのカスタム機であるため、最終的な「防爆エリアへの設置可否」は、お客様ご自身で所轄の消防署または社内の安全管理部門へご確認いただく必要があります。

SDIでは、その申請や審議をスムーズに進めるために、以下の技術サポートを行います。

結論:コストと安全性のバランスを考慮した選択を

「完全な防爆認定機」は非常に高額かつ大型になりますが、「防爆部品を採用したカスタム機」であれば、研究用途として現実的な予算とサイズで、必要な安全対策を講じることが可能です。

SDIは装置メーカーとしての知見を活かし、お客様の安全管理基準に合わせた仕様をご提案いたします。